思考記録場

日常生活の中で気になったことや、感じたこと、考えたことを記述するだけの場所。

ありがとう

「店員さんには必ずありがとうと言いなさい」

 

買い物をする際、母は常々僕にこう言い聞かせた。母は口先だけの人間ではなく、実際に会計を終えると必ず店員に「ありがとう」と言っていた。

 

母は言霊を信じていた。良いことを言うと自分に良いことが帰ってくる。だから感謝の言葉は必ず伝えろと教えられた。逆に、悪いことを言うと自分に悪いことが帰ってくるので、酷い言葉は使ってはいけない。もし使ってしまった場合、必ず「今の嘘」と付け加えろとも教えられた。母の教育はかなり放任主義で、僕は基本的に何をやっても怒られなかったし、習い事も強制されなかったが、言葉使いに関してはよく注意された。

 

そんな母の注意を全く守らなかった僕は立派に汚い言葉を使いこなす人間になったが、言霊は信じている。人に良い言葉をかけられると嬉しくなる。その人のために自分も良いことをしてあげようと思える。その逆もまた然り。言霊は対人関係においてはスピリチュアルな現象ではなく、実際に起こりうるものだと僕は考えている。

 

一方で、言霊はあまり科学的ではないとも感じる。どれほどの効果があるのか具体的な数値を求めて比較することは難しいし、言霊自体が何かの現象を直接引き起こすことはないと思う。最近、植物にありがとうと言い続けると良く成長するとか、パンを罵り続けると早く腐るとか、そういう話を耳にするが、それに関しては信用していない。

 

恐らく、前の段落のような話を疑似科学だと考える人も多いだろう。それによって疑似科学を吹聴する人々が批判されるのと同時に、言霊までもが批判されることがあるように感じる。僕はそれが酷く悲しい。

 

言霊は確かに科学的ではないかもしれない。しかし、良いことを言い続けること自身は悪いことだろうか。このブログの読者達には、言霊に込められた本来の想いを今一度考察していただけると幸いだ。あと、僕のバイト先のスーパーで買い物をして、会計を終えた時に僕に「ありがとう」と言っていただけると嬉しい。

 

ここまで読んでいただき、どうもありがとう。