思考記録場

日常生活の中で気になったことや、感じたこと、考えたことを記述するだけの場所。

1年の振り返り ①方言

1年を振り返ろうと思う。とても長くなりそうなので、シリーズ化する予定だが、しないかもしれない。全ては僕のやる気次第だ。

 

僕は去年の4月から愛知県の名古屋市に住むことになった。まず衝撃を受けたのは、周囲の人々が関西弁を話さないことだ。僕は兵庫県出身で、この世に生を受けてからずっと関西で過ごしてきた。もちろん、兵庫県ではみんな関西弁を話し、関西弁以外を話していると直ぐに気づく。それが名古屋ではみんな関西弁を話さず、僕が関西弁を話すと直ぐに関西出身だとバレた。新鮮だった。

 

だいたいの初対面の人は僕の関西弁を聞くと、「訛ってるね。田舎の人?」と聞いてきた。なるほど、名古屋の人々からすると関西は田舎なのかと思いつつ、僕は兵庫県姫路市出身であることを述べた。すると、「田舎の人?」と聞いてきた人々は岐阜県出身だったりすることがあった。お前達の方が田舎じゃないかと思った。高校生の頃、一緒に全国大会に出場した友人から、佐賀県代表の生徒に兵庫を田舎だと馬鹿にされたというエピソードを聞いた時と同じ気持ちになった。

 

周囲が関西弁を話さないことで困ったことがひとつだけあった。話がうまく聞き取れなかったのだ。名古屋は少し標準語とは違う話し方をする。僕は彼らの疑問文がうまく聞き取れず、質問されているのかどうか判断できない時があった。おかげでコミュニケーションが億劫だったことを覚えている。今では名古屋の方言にも慣れ、リスニングは完璧だ。

 

高校の同級生の中には、県外に進学した結果、その地方の方言に侵食されてしまった人もいた。たまに彼らと電話をすると、関西弁ではなく、よくわからない方言を話してくることがあった。彼らは魂を県外に売ってしまったのかと、兵庫を棄ててしまったのかと、ひとり悲しみに包まれた。それと同時に、僕は自分が認識していた以上に地元愛が深いことに気がついた。それまでは地元など、ガラは悪いし、空気は臭いし、遊ぶ場所もほとんどないしで、つまらない街だと思っていたが、僕はそのつまらない街が大好きだったのだ。このことに気づくことができたのは、この1年で僕が得た大きな財産のひとつだ。

 

名古屋の人々の中には、僕の略語やイントネーションを馬鹿にする人もいた。僕がマクドと言えば、「マックだよー!」と言われ、僕がユニバ(真ん中にアクセント)と言えば、「ユニバ(最初にアクセント)だよー!」と言われた。バイト先の先輩には「1000円とか5000円とか、お札の発音も変だよね」と言われた。まあ、これらの指摘は僕が関西訛りなのであって、僕が世間一般に対してマイノリティ側であることは受け入れられる。僕が許せないのは我が故郷「姫路」の発音だ。みんな最初にアクセントを持ってくるのだ。こればかりは僕が出身者であるので、僕の発音を世間一般のイントネーションとして採用して欲しい。馬鹿にされるのは納得がいかない。悔しいので、僕もたまに名古屋弁を馬鹿にしている。

 

この1年の生活についてまとめるはずが、気づいたら方言の話ばかりしていた。キリがいいので一旦ここで区切ろうと思う。このような感じで、文章を積極的に拗らせながらまとめていきたい。