思考記録場

日常生活の中で気になったことや、感じたこと、考えたことを記述するだけの場所。

3番目の彼氏

付き合う前までは世界の中心があなたであるかのように感じるにも関わらず、いざ付き合い始めると世界の中心があなたであり続けなければならないという心境に変化して、自分の抱いたそれがあたかも義務や強迫観念のみによって成立しているように感じてしまう。この世の地軸にあなたを任命し続けなければならないと思うようになって、そう思うということは、任命しなければあなたはこの世の地軸ではないのだろうと悟らされてしまう。そうしてあなたに失望して、あなたには一切の非がないのに失望してしまっている自分にもっと失望して、失望した頃には全てがひどく悲しく思えて、最後に残るのは僕のことを好きだというあなただけ。僕の世界では最愛が永遠に存在することはないのだろう。

 

最愛が永遠に存在することはないと思っていても、時には孤独が僕を六畳一間の隅へ追いやることがあるし、この現象がこれから先も未来永劫突発的に発生することに薄々気がついているし、遂には耐えられなくなるかもしれないという思考に辿り着いて苛まれることまである。しかしながら、孤独が六畳一間へインターホンも押さずに邪魔してくるのはあくまで「時には」であって、彼がどこぞのネコ型ロボットよろしく四六時中居座っているわけではない。稀に訪れる現象のためだけに永遠を誓ってしまうと、今度は稀ではない日常の方が僕を部屋の隅へと追いやってしまうようにすら思えてくる。

 

だから僕は最愛ではなく、3番目くらいの愛を享受したい。スタメンでなければ補欠でもない、補欠の補欠くらいの恋愛がしたい。お互いの利害関係が一致した瞬間のみ連絡を取り合う、都合のいい関係に身を置きたい。単年契約副業OK、それくらい気軽な3番目なら、僕は永遠を誓えそうな気がしている。