思考記録場

日常生活の中で気になったことや、感じたこと、考えたことを記述するだけの場所。

心に移りゆく

一人で生きていく。何度も願い続けて、遂にそう決意したはずなのに、一人がひどく寂しいと感じる時がある。一人で生きていきたいはずなのに、誰かに抱き締められたいと思う時がある。どうしようもない衝動に駆られ、布団の中で苦しんでいる夜がある。これは一体何故だろう。

 

眠れない夜、抱き締められ、胸の中で眠りに落ちたいと思った。頭を撫でてもらいたいと思った。そこでふと疑問が生じた。私が本当に愛していたのは一人の女性ではなく、頭を撫でてくれる肉体だったのではないか。私のことを抱き締め、頭を撫でる人形さえ存在すれば、私は満足するのではないだろうか。自分の気持ちが分からなくなった。

 

世間一般的に、性行為は愛を確かめ合い、満たし、深めるものであるらしかった。そのため人間の番は、本来子供を授かる行為であるはずのそれを、避妊してまで励んでいるようだった。私には理解できなかった。本当に愛し合っているのであれば、望まない妊娠をするリスクは取らないのが普通ではないのか。それは愛を満たしているのではなく、欲を満たしているのではないのか。一体愛とはなんだろう。

 

そもそも、性に関する情報は十八禁とされ、幼少の頃からいけないものだと教え育てられてきたはずなのに、何故みんな容易く受け入れているのだろう。

 

高校生の頃は理解した気がしていた恋人と友人の違いが、いつしか分からなくなっていた。恋人としての好きと、友人としての好き。この二つの感情に違いはあるのだろうか。大学生は呪いにかかったかのように恋愛を求めているように見えるが、恋人と友人の違いをどう認識しているのだろうか。一体彼等は何を求めているのだろう。

 

何も分からない自分のことが大嫌いになった。私はどうしてこんなにも無能なんだろう。どうして普通が分からないんだろう。

 

こんなに嫌いな自分のことを好きと言われるのはたまらなく苦しかった。私に恋愛は難しすぎた。私のことを好きにもならなければ嫌いにもならない、そんな距離感の友人が数人いればそれで充分だと思った。だから、もう恋人は要らない。一生一人で生きていこうと決めた。

 

そして思考は冒頭に戻る。