深夜、僕と秒針以外に音を立てる者はいなかった。これは眠れない夜の常だった。僕は眠れないなりに何とか夜を越えようとして、布団に沈みこんで息を潜める。 僕が息を潜めると、この部屋で音を立てているものは秒針だけになった。秒針だけが音を立て、秒針だ…
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